2015/06/21

気になるてげ店 -ギャラリーるい-

かつてレーヨン生産が盛んだった時代の名残。「レーヨン通り」という名の道が延岡には存在する。今は既にレーヨン工場はなく、かつての繁栄も影を潜めている(と思う)。細々と、しかししっかりとレーヨン通りには歴史を刻んできた(であろう)店舗が立ち並び、再びの繁栄を密かに待ち続けている。か、どうかはわからんけどとにかく気になるレーヨン通り。
美容室、郵便局、銀行、八百屋などが立ち並ぶ中、「ギャラリー」という看板が目に入る。外からでは一体何の店なのか、はたまた展示室なのか全く不明。しかしどうやら本日(土曜日)は営業をしてるみたいなので入ってみる。

外観。骨董とか古美術品とかおいてそう。

雑然とした店内。さらっと見る限り売り物は「額縁」のよう。ほどなくして奥からおじさんが出てきて「いらっしゃい」と。「少し中、見させてもらっていいですか?」と私。「いいですよ、ぷぷぷ(笑)」とおじさん。すみません、笑ったかどうかは判別できなかったけど我々が一見さんなので少し驚いた様子ではあった。
延岡の方にしては珍しく、よくお話をしてくれるおじさん。店の歴史や同族の歴史(笑)など。お陰様でとても楽しく店内を見ることができました。

結果的に、確かに「額縁屋」さんではあったものの、それをはるかに上回る膨大な量の油絵と、存在感が半端ないこれまた凄まじい量の仏像が陳列。それを(気に入った方には)販売しているお店だった。店主は2代目。仏像は初代が日々彫り続けたものらしい、、というのも骨董屋を始めようと初期資金を手に奈良京都へ買い付けに行った初代。十分な資金があったようだが仏像は高いもので数百万(江戸時代とかのもの)。そこで初代はひらめき、「買い付けるよりも作っちゃおう!!」と彫刻刀を手にしたらしい...笑
その仏像ときたら...すべてなんだか愛おしい!!笑 絶妙なバランスとカラーリングに脱帽。しかも値段は結構破格。
裏にはすべて制作年が書かれており、「誕生佛 昭和50年1月5日着 1月8日完」って製作日数3日!?という手先の器用さ満開の初代。聞くところによると中には「1月5日着 3日間休憩 1月11日完」等休憩した期間まできっちり書かれたものもあるらしい。おもろすぎる...。

一部。ほら、惹きこまれるでしょう

仏頭もあります。

左は、もともと骨董品を購入し欠けた手を初代が修復。右のバランスよ...

加えて油絵。歯科医をしていたお医者様が、晩年書き溜めた油絵をひきとったらしい。これまた凄まじい量。しかもなかなかいい雰囲気。「おおおお~」と唸る妻。夫は仏像、妻は油絵を物色すること約30分。お好みのものがお互い決まり、購入することに。いや、まさかこんな名店がレーヨン通りにあるとは...
まぎれもなく、この店にはかつての繁栄の面影がありました。

油絵のごく一部、とHAND MADE仏像 by SHODAI。

購入した誕生仏。かつて、国宝 誕生釈迦仏立像を見たときに「なんじゃこのかわいい仏像は!?」と驚愕した思い出がよみがえるかわいさ満点の誕生仏。ちなみに製作日数3日。昭和50年製なので私よりはるか年上...。長い年月を経て、初代の手から生み出された仏像が私の手の中に...。大切にします。よろしく、仏像よ。
ちなみに、よく見たら右手は人差し指ではなく小指を掲げているのがわかる。「指切りげんまんしたい人この指と~~~まれっ」って感じやろか。

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