2018/01/14

てげ古物 -archive13(紙モノ)-

古びた観光地のポストカードや舶来本、美術館のチラシやイベントのフライヤーなど、ありとあらゆる紙モノに目がありません。落ちてる紙屑でも良いんです。とにかく琴線が触れるものの多くは「結果的に紙だった」ということが少なくない。紙は経年変化しやすく、また味が出やすい。日にも焼けるしぼろぼろと千切れてきたりする。そんな紙が愛おしいのです。

「古代エジプト展 (1978年) 図録」
おそらく「正倉院展」と並ぶ人気展示であろう「エジプト展」の図録。過去より幾度となく開催されては人々を魅了してきたはず。大分のカモシカ書店にて激安均一コーナーにて発見。しかし、どうして人々はこんなにも過去に想いを馳せるのだろうか...。
フォントもなかなか秀逸。

「古い洋書(ドイツ...?)
これも大分のカモシカ書店、しかも均一コーナーにて笑 恥ずかしながら大学時代の語学授業はドイツ語専攻だった。でも全く役に立ってません...。「Dieって確かドイツ語やったはず...」ぐらいの知識。奇しくも印刷発祥の地「ドイツ」の本、グーテンベルクよありがとう。そして前職時代にはハイデルベルグ社の活版印刷機で名刺とかフライヤーとかいろいろ印刷してたなぁとしみじみ(印刷会社ではないですが)。こういう本は同時にタイポグラフィーも美しいと実感します。

「1946年出版の古い本(72年前)
熊本の古本屋にて。知りませんでしたが谷川徹三さん、実はあの谷川俊太郎さんの父。内容どうこうより、この表紙のシンプルさと古さに惹かれました。紙の手触りを十分に感じることのできる未ざらしの紙に力強く打ち込まれた文字。この時代は、これまたフォントも素晴らしいです。

「薬袋と名刺ケース
長崎は島原の古道具屋にて。薬袋は100枚ほどが束ねられていてボリュームたっぷり。まるで札束みたいです笑 簡素な紐でくくられてるのもこれまたGood。名刺ケースはしっかりした貼り箱で、まだ数枚所有者の名刺が入ってました。どこか海外を思わせる英字に「OSAKA」の文字(めっちゃ遠い)。いろんなことが昔は不便で情報も少なかったはずだけど、一つ一つに意味と目的がある、良い時代だったんだろうな。

大正7年以降の、古いポストカード
旅行者は、いつの時代も旅先から手紙を書いてたんだろうか。郷里に残した家族や友人、また恋人たちに想いを馳せて。魔女の宅急便でも、キキが修行先の新しい街から家族に手紙書いてたもんな。今はLINEとかでいつでもどこでも何文字でもすぐに連絡がとれるけど、やっぱり手書きでかつ制限のある中で「想いを伝える」っていうのはどこかロマンチックで素晴らしいなと思います。そして郵便屋さん、いつの時代もありがとう笑

初めて知りましたが「CARTE POSTALE」というのはフランス語で、万国郵便連合の公用語がフランス語だかららしい。つまり年代推定の役には立たない。推定方法の一つに「通信欄の仕切り罫線有無」があるらしく「通信欄の罫線がない→明治6年(1873)〜明治40年(1910年)3月まで」「通信欄の罫線が3分の1→明治40年4月〜大正7年(1918)3月まで」「通信欄の罫線が2分の1→大正7年4月〜」という見分け方があるらしい。
↓罫線が1/2だから「大正7年4月以降のもの」らしい。↓
↓罫線がないから「明治6年(1873)〜明治40年(1910年)3月までのもの」らしい。↓
いやぁ、紙モノは素晴らしい。

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